君へ願うこと



柳君はそう言ってあたしの頬に手を触れる。


「な、んでもないの」


首をブンブン振るけれど


「何でもいい奴が泣くかよ」


柳君が少し怒ったように呟く。



「大丈夫、大丈夫だから」



「如月さ、夏祭りの事、覚えてない?」



「夏祭りの事、覚えてる?」



「夏祭り・・」



“俺如月みたいな女の子を彼女にすればよかったな”