君へ願うこと



でもあたしは


市ノ瀬君の彼女で。



市ノ瀬君だってきっとあたしの事...



ガタ!


いきなり大きな音が教室から鳴りだして振り返る。



「よぉ」

「や、柳君」


気まずそうに立ってあたしを見つめる柳君。


ほら


今だって柳君の前に立っているのに


考えるのは市ノ瀬君の事ばかり。



「どうした?」


「え?」


「泣いてるけど」