「参ったな、これじゃあ離れられない」 「え?今何か言った?」 「可愛いよ、如月さん」 「うっさい、それ以上言ったら殴るよ」 後ろの方でかすかに聞こえるにぎやかなお祭りの音。 人の声。 それがちょうどいいBGMになってあたしの耳を流れていく。 きつく抱きしめられた中で あたしはいつの間にか柳君に言われた事なんて どうでもいいと思うようになっていた。