隷従執事の言いなり



「最初に見せるのは…心に決めた人がいいの…」

こんなの、別に思ってない。
でも、碧がどうするかが気になって。


…だけど、言わなきゃ良かった。


『私を男とカウントしてはなりません。さ、お嬢様。本当にとれなくなってしまいますよ』


返ってきたのは、執事として正解の言葉。



「……そんなの分かってるもん」

…なんでそんな風に私を遠ざけるの?
従順なんか、私は求めてないのに。

碧は男だもん。
男にしか、見えないもん。


『聞き分けが宜しくて助かります』

ドレスを脱いで、たまたまあったシーツにくるまった私。


聞き分けなんて…ちっとも良くない。
怖いだけ。
碧がもっともっと遠くに行っちゃうんじゃないか、って。


せめて執事と主でいれば、少なくとも一緒にはいられるから。


「染み残したら許さないからね」

『仰せのままに』


この言葉の意味を分かって欲しい。

碧が関係してる私の宝物、だからなんだよ。って言えたらいいのに。

私達はそれさえ許されないんだ。




潔白な主従関係を、私の心が邪魔をする。


どうしても嫌だと、足掻いてしまうんだ。