隷従執事の言いなり



碧に誘われて、お稽古をさぼってお屋敷の裏の森に探検に行った時の事。


『つばき、見ろよ。木の上に鳥のすがあるぞ!』


二人で、巣を見つけたまでは良かったんだけど、

私が余計な事を言ったから。


「あー本当!ねぇあおい!ちかくで見たい!」


『よっしゃのぼるか!俺が下からついていってやるから』


私が先に木に足をかけて、登った。
それを碧が追い掛けるように登る。

「たかーい!」


初めて木登りしたのもこの時。

自力でこんなにも高い所に行ったのも初めて。


「たかい!あおいっ楽しいね!」

『おいあんまりはしゃぐな………ってつばき!!!』

私が碧に話し掛けるために後ろを向いてしまって。
手を、滑らしてしまったのだ。


「きゃー!!」

『つばき…!!』


体は木から離れて、落下。


どんっ!!!!


「いた………くない…」

衝撃はあったものの、大したことではなくて。

でもその意味が、直ぐに分かる。


「あ…おい?やだ!あおい!あおい!」


下に、柔らかい感触。
それは、紛れもなく碧で。

私を庇ってくれたんだ。



ぐったりとする碧が、怖くて。
このまま死んじゃうんじゃないかと思って。


「あおい…あおいあおいあおい!」

私はただただ名前を呼ぶ。
それ以外どうしたらいいかなんて分からなくて。

所詮私は何も知らないお嬢様だから。


『お嬢様!?』


そこに現れたのは、私が受けるはずだったお稽古の先生。


どうやら私を探していたらしい。


「先生!あおいが!あおいが!」