足早に階段を一気に駆け下り、学校を出た



そしてはぁ~と深いため息をついた




私は歩きながらめがねを外し、一つにまとめていた髪の毛をほどいた




そしてしばらく歩き、あの公園へ行き、朝篠原葵が座っていたベンチに腰掛けた




ぼーっと、目の前の景色を眺めていると何もかも空っぽになったような感覚になる




こんなベンチに座ってあのクラスの人気者のあの子は何を考えていたんだろう



そんな風に考えていると遠くから女の子の話し声が聞こえてきた



私が少し周りを見回すと遠くから自転車で二人乗りをする二人組が近づいてくる




私のすぐ近くで二人は自転車から降りて話しながら歩いていた




「明日先生におこられるかな?」




学校から抜け出してきたのか一人の女の子がもう一人の方に弱々しく聞く




「大丈夫だよ!ききながしとけばいいの~!それよりさ、もううちら中学3年生だよ?早くない?来年高校生なんて考えらんない」




「高校だと離ればなれになっちゃうのかな~?」