恋がはじまるよ

「ゆいちゃんは、こーちゃんを、しあわせにしますか?」

 突然、始まった『お嫁さんごっこ』。

 緑は神父様の役らしい。

「ゆいちゃん。早く『はい』って、言わないとダメだよ」

 恥ずかしくてモジモジしている結衣を急かすように、緑が肘でつつく。

 隣を見ると、洸貴が、にっこり笑った。

 顔を真っ赤にしながら、結衣が小さな声で返事をすると、今度は、洸貴に同じ質問がされる。

「こーちゃんは、ゆいちゃんをしあわせにしますか?」

「はいっ!」

 少し高い声で、はっきりと洸貴が答えると、緑は満足そうな笑みを浮かべた。

「じゃあ、誓いのキスをしましょう」

 そう言って、緑になかば無理やり顔をくっつけさせられる。

 まるでふわふわの羽根が触れるような、短いキスだったけれど。

 結衣のファーストキスの相手は、洸貴なのだった。