今回ばかりははぐらかされて終わり、なんてさせません。


核心をついた言葉じゃないと、貴方は上手く私をかわしてしまいます。

私だって学習するのです。


「ねぇ」



「どうして何もしてくれないんですか?」



ツノりツノったこの気持ち。

やっと吐き出す事が出来ました。


貴方の反応が、凄く気になるところです。


すると貴方は珍しく狼狽えて、直ぐに原稿に逃げようとなさいます。


そんな事は、させません。


「答えて下さい」


『………っ』


目を合わそうとしません。
私の不安は消えません。


「私は……」

「私は……」






「…私は貴方に触れられたいです」


ここまで言わないといけないなんて。

貴方は酷い方です。

女の子には、恥じらいを持たせて欲しいものです。


私は貴方と原稿を遮るように、貴方の唇にそっと口づけをしました。


初めて感じた体温は、思った程冷たくて。


違和感を感じましたが、



それを考える間もなく体は押し離されてしまいました。






…どうしてですか?