「おばあ……ちゃん……?」
私は中校に行っていた
4時間目に先生が青ざめた顔で
私に告げた言葉は
あまりにも残酷で
信じがたいものだった
「お母さん!
おばあちゃんはっ……
おばあちゃんは無事なの?!」
『三原さん……
あのね、落ち着いて聞いてね?
あなたのおばあさんの容体が急変したって
お母さんから連絡が……
もう少ししたら、お母さんが
迎えに来てくれるから
帰る用意をしておきなさい』
車の助手席に乗りこんで
先ほどの担任の大橋先生の言葉を思い出す
運転席にいるお母さんも
かなり焦った声で返した
「お母さんには分からない
でも、はやく行ってあげた方が……ね?」
『はやく行ってあげた方が』
私は悲しくなった
気がつけば
車の窓には大きな雨粒が
打ち付けられていた
まるで
空までもが
おばあちゃんの『死』を
悲しんでいるかのように

