【短】約束の花火。



「……雅樹…お前が去年別れた彼女、
探さねえの?いるかもじゃん?」


その声に、思わず振り返る。
まさか、その彼女って私?なんて。


…そのまさかだった。

そこにいたのは、さっきの声の主と、
ずっと会いたかった雅樹だった…。


とっさに隠れた。
向こうから私は見えない位置のはず…。


雅樹は何て言うんだろうか…。

思わず聞き耳を立てる。

盗み聞きなんて悪いけど、
雅樹の本心を知りたいというのが
私の中で勝ってしまった。