あの日のきみを嘘にしてしまうなら、

群青色の深い、真空の空をみて
胸がぎゅうっと痛くなる

このまま目を瞑って

どうか、
私をきみの果てまで
連れ去ってほしかった


愛した人は少ないけれど、
思い出を蘇えらせるには
充分な視界だったから

伸ばせば届く手も、
悴んだことを理由に
セーターの袖の中に潜ませた


(乾燥した空間が、
必要以上に私を責めたてた)