いつも思うが・・・天野川は逃げ足が早い。 「天野川・・・お前は・・・もしかして・・・。」 遠い記憶の糸を手繰ろうとした時。 携帯のメール受信音が鳴り、現実に引き戻される。 結衣さんだろうか、とメールを開いてみたが・・・違っていた。 水元しずく。 その名前に心臓がドキッと跳ねてしまう。 ・・・今朝の夢のせいだ! 浮気ではない! と言い聞かせ、メールを読んだ。 『話があるから放課後スーパーに来て欲しい』 そのような内容だった。 断る理由は何もない。 しずくさんとは友人だ。