敵か、間者か…だが気配を殺さぬなど、間抜け過ぎる。 だが、想像と違っていた。 俺の目に飛び込んできたのは…。 「…あ…っ…も、申し訳ございませぬ…!」 栗色の柔髪が揺れる。 大きな瞳も栗色で…その瞳から零れ落ちる…大粒の涙。 その涙が…余りにも美しく。 …何だ、心の臓が…熱い…? 「…女子であったか。すまぬ。」 …何故…気恥ずかしい…? 「いえ…っ…あの…ここに居たことを口外なさらないで下さいますか…?」 何故…? 女子であっても…やはり間者なのか?