―――――― ―――― ―― どうか、勝たせて下さい。 私は一人、毘沙門天様にひたすら祈りを捧げていた。 信玄(しんげん)が…憎い。 奴が私を裏切ったあの日から、六年もの年月が流れていた。 晴信(はるのぶ)は出家して“信玄”と名乗り、私は上杉の姓を継ぎ、政虎(まさとら)と改名した。 六年の間にも一度、奴と川中島を巡り戦をしたが…またしても決着はつかず、引き分けとなった。 しかも直接、奴と対峙することも叶わなかった。 信玄…逃げているのか!? この私から。