突然、レイドが倒れ、背中の刺青がうごめく事態になった。

処置室で治療中のレイドの元に突如現れた“異人”―。

処置室に緊張が走る。

「何者だ!」

「レイドを引き取りに来た。長い間、世話になった。」

男は歩み寄る。

「レイド様に近寄るな!」

処置室に居合わせた騎士達が身構えする。

「……排除しろ。」

バッ!

ビュンッッッ!!!

グサグサグサッッッ!!!

「うあぁぁあ…!!」

黒い羽が騎士を襲った。

次々と騎士達が倒れる。

「あ……!みんな!」

「貴様!」

リィナはレイドの手を握った。

シューは剣を抜く。

今まで見てきた“異人”とは違い、翼が倍以上にでかく、顔をマフラーのようなもので隠している。

鋭い赤い瞳が覗いている。

「……だ、誰だ…?」

レイドが苦しみながら起きた。

「レイド……なんて平和ボケした顔をしてんだよ。」

「……くっ…!誰だ……お前!」

「レイド!ここはシューに任せて!」

リィナは背中を擦った。

ビリッ!

「いたっ!」

背中を触った手に痛みがはしる。