リィナは微笑んだ。

「今年はどんな人が集まるのかしら。」

「強者が揃うといいですね。」

フゥリもにこっと微笑んだ。



試験会場となるのは、城の門の前の庭園広場。

白いタイルで綺麗な場所だ。

そこにヴァィ、シュー、城の騎士たち、そして受験者である初々しい騎士たちが集まっていた。

受験者はざっと30名ほど。

新規騎士候補の中には、この国の城下町に住んでいる者や、ここから離れた国内の村の者、また、国外の者もいた。

「静粛に!」

城の建物内から仕切って出てきたのは、レイドだった。

その姿を見て、新人の騎士数名がざわめいた。

「あの人は白人ではないのか?」

「黒髪だと?」

「そんな者がどうして…?」

そんな話し声が聞こえていた。

城下町や城の近くに住む者は、レイドのことは知っているが、町外れの村の者や、国外の者は初めて見る褐色の肌であった。

「静粛に!」

レイドは声を張り上げてもう一度叫んだ。

ピタリとざわめきは止まった。

「初めてオレを見る人もいるだろう。見ての通り、オレは白人ではない。」