フゥリは積み上げられた皿を指差した。

「はぁ!?俺1人で!?」

「当たり前だ。30分で終わらせろ。」

彼にエプロンを無造作に投げつけ、そそくさと部屋を出ていった。

「たくっ……!なんで俺がこんなこと!!」

ボサッ

床にエプロンを叩きつけた。

そのままそこ飛び出し、与えられた部屋に戻った。

部屋に入るやいやな、ベッドに飛び込んだ。

最近まで寝ていた自分のベッドよりも寝心地が悪い。

「糞野郎……!」

ベッドでそう呟き、眠った。



目が覚めると、夕暮れを迎えていた。

空はオレンジ色に染まり、綺麗だった。

バタバタバタ……

何やら廊下が騒がしい。

静かに扉を開けると、メイドたちが集まっていた。

「誰ですの?皿洗いを命じられたのは!」

「私達で洗えばいいのよ!」

「で、でもフゥリさんは放っておけと……。」

皿洗いができていないことで、メイドたちが騒いでいる。

俺がしなかったことで何騒いでるんだよ……。

フィルは腹が立った。

そのまま夕食の時間を迎えたが、食事をする部屋に料理が運ばれない。

リィナやレイドたちにも出されていない。