「へぇ……この人が王女様か。」

ガッ!

ローズは背後に回り、リィナの腕を掴んだ。

その速さに、リィナは逃げることも出来なかった。

レイドも目が追い付かなかった。

「リィナを離せ!」

「は、離して!」

「可愛いじゃん♪そりゃレイドが惚れるわけだ。」

くいっ

リィナの顔を、自分に向けた。

彼は微笑む。

しかし、その笑みには威圧感があった。

「貰っちゃおうかなあ……。」

リィナの顔に、顔を近づける。

あと数センチで、唇がかさなりそうなぐらいに。

「俺の女にならない?」

「ふざけんなぁぁぁああ!!!!!!」

ブワッッッ!!!!

レイドの魔法陣が激しく光り風が吹き荒れた。

「手を離せ!」

この隙を見て、シューはローズに剣で攻撃した。

ズバッッ!!

「くっ……!」

よそ見をしていたローズの腕に、傷を負わせ、リィナを救出した。

「大丈夫ですか!?」

「えぇ、ありがとう。レイドは!!」

彼は回復魔法もかけずに、反撃の体勢をとる。

「レイド!一度回復して!」

しかし、声は届かない。