レイドたちが、門の前で、騎士たちと言葉を交わしていた頃、ロッツォたちは城に押し掛けていた。

「潰せ!王権を潰せぇぇえ!!!」

「うぉぉぉおお!!!!!!」

ダダダダダ……

王座の間まで、一直線に走った。

王座の間のシャンデリアが見えてきた。

あと少し……!

あと少しだ!

「何してんだてめぇ……。」

フィルが王座に腰かけて、ロッツォを出迎えた。

「何の騒ぎだ?あ?ルーゼンを潰したのか?」

「フィル王子、私たちはアナタを倒しに戻ってきました。」

「……はっ……はははは!」

フィルは腹を抱えて爆笑した。

ロッツォたちにとって不愉快な笑い声が、耳に刺さる。

「くだらねぇ。なぁ、親父?」

「……!?」

ロッツォたちの背後に、国王・ムーシュが現れた。

「国王様!」

「お前たちは反逆者だ。捕らえよ。」

城に残っていた騎士たちが、攻め寄る。

ロッツォたちは追い込まれた。

「お前たち!昨日、誓い合ったではないか!裏切るのか!?」

しかし、騎士たちは答えない。

彼らの瞳は、光を失い、真っ黒だった。

「まさか……!」