リィナは絶句した。

彼女だけでなく、レイドやシュー、騎士たちも。

「私たちは、もうあの王子に指図はされない。されてたまるか!ルーゼンには悪いことをした。しかし、女神像の件に関しては、許さない。」

ロッツォたちは背を向け、王国へ向かう。

「ま、待って!」

「リィナ王女。」

ロッツォは、顔だけをリィナたちに向けて続けた。

「もし共和国として成り立たなかったときは、ルーゼンに迎え入れてください。」

はぁっ!

ロッツォは勢いよく、馬を走らせた。

続いて騎士たちも走らせ、国民たちも走る。

「うぉぉぉぉおおお!!!!」

「待てお前ら!」

「追うわよ!!」

ドドドド……!!

ルーゼンの者たちも馬を走らせ、リヴェンへ向かった。

「待って!ロッツォさん!!待って!」

「待つんだ!リヴェンの者たちよ!」

「待ちやがれ!」

リィナたちの声は届かず、リヴェンの者たちは、どんどんスピードを上げる。

「走れ!城に向かって迷わず走れ!リヴェンを取り返せ!」

ロッツォの掛け声で、また一段とスピードが上がる。