レイドも彼女と同じように悩んだ。

彼には、この戦争には何かある、裏で何かがある、と考えていた。

しかし、答えは見つからない。

それを証明するモノだってない。

「冷静に王子と話をしましょう。いや、王子よりもロッツォ氏と。」

「対談……か?」

「ええ。」

リィナは決心した。

「明日、私も国境へ出ます。もうじっとはしていられない。」

「全力で王女を御守りします。」

この決意に、誰も反対できなかった。



次の日、厳重な警備でリィナは国境へ向かった。

レイドも気を集中させ、緊張感を持っていた。

城にはヴァィと、数人の騎士たちが残った。

国民が、王女、騎士たちの無事を祈り、見送った。

しかし、今日の国境はいつもと違った。

リヴェンの騎士たちに加え、国民の数人の姿があった。

「一体どういうこと!?」

リィナの質問にロッツォが答えた。

「これより、リヴェン・プール王国を滅する。」