シューは犠牲になった騎士たちに、祈りを捧げた。



城下町の住民が、城の前の広場に集まっていた。

リィナの指示である。

「全員いますか?」

「はい。」

「今日、集まって頂いたのは、知る方も中にはいらっしゃるでしょう。国境のリヴェンの女神像の水晶玉が、ルーゼン国民により破壊されました。」

知らなかった人々は、どよめいた。

「私は、そのような悪事をルーゼン国民がしたと信じれません。しかし、本当ならば許しがたき事。この中に、破壊した張本人がいるのならば、正直に出てきて。」

リィナは悲しい目をしていた。

レイドはそんな彼女を見て、どうしたらいいのか考えていた。

名乗り出る者はなく、王女は胸を撫で下ろした。

「よかった……。」

レイドが彼女に代わって話をする。

「今、国境では王国騎士たちが、リヴェンの騎士と戦っている。彼等は、オレたち、ルーゼン・ウルク王国を守るために命を捧げている。もし、被害がこちらに及ぶことがあれば、避難を出すから、いつ、そのような事態になろうと、対応できる心準備はしていてくれ。」