夏の早朝から、国境ではルーゼンの王国騎士と、リヴェンの王国騎士たちの、全面対立が繰り広げられていた。

リヴェンが宣戦布告し、承諾したルーゼンとの魔法戦争。

ゴォォォオオ!!!

ビュゥゥゥウウ!!!

バリバリバリッッッ!!!

国境に広がる高原で、炎や風、雷が疾る。

ギンッッ!!

キンッ!キンッ!

刃と刃がぶつかる。

うぁぁぁあああ!!!

おぉぉららぁぁあ!!!

騎士たちは叫び、国を守るためにひたすら戦い続けた。

シューは戦場から少し離れたところから、指示をしていた。

また、リヴェンの指揮官・ムハンも。

「回復班!手当てを急げ!」

「殺れ!怒りを全てぶつけろ!」

両国は一歩も引かない。

国のために命を捧げ、自分たちが傷付こうとも、国が、王女が傷付くことは許さない――!!

その気持ちが、騎士たちの戦う源だ。

国境には血の臭いが漂う。

両国の騎士たちに死者は、間も無くして出た。

「君の命は無駄にしない。よく国のために働いてくれた。ありがとう、必ず天に還す。」