ロッツォは剣を抜き、馬に乗ったままシューに突きつけた。

「三日後の早朝、国境にて待つ。この際に、両国の因縁を経とう。勝者がリヴェンの女神の祝福を受ける。」

「まさか……!」

「全面対決、戦争の幕開けだ。」



ルーゼン・ウルク王国とリヴェン・プール王国の国境に建つ、リヴェンの女神像の破壊事件をきっかけに、戦争が始まろうとしている。

ルーゼン村の住人に、怪我人が出たが、幸い死者はいなかった。

彼等は、シューたちの指導で城に避難した。

リィナは、相手の宣戦布告を聞き入れる他の術を考えていた。

対談をしても、あの王子が話を聞くはずがない。

女神像を壊した張本人を探すが、見つからない。

ロッツォが指示した、戦争開始日を明日に控えている。

しかし、リィナはまだ戦争を承諾しきれない。

「どうして……こんなことに。私は、どうしたらいいの?」

リィナは頭が割れそうなぐらい悩んでいた。

「王女、もう戦争を承諾するしか手はないかと……。」

「嫌よ!そんなこと、絶対に……!!」

「でも、受けて立たないと、一方的に被害を受けるのは、ルーゼン国民たちなんだぞ!?リィナはそれでもいいのか?!」