屋上に上がると、国境が赤く燃えていた。

ルーゼン村が焼かれている。

「な……なんてこと!村の人たちは大丈夫なの?!」

「わかんねぇ……。ただ、怒りに満ちた魔力が暴走してやがる。」

現場の全体は見えるが、死人が出たかどうか、細かいところは見れない。

レイドは、リヴェンの国民たちの魔法の情を感じ取った。

「ヤバイな……。」

「え?」

「情に狩られて、リヴェンの奴ら、魔力の加減が出来てねぇ……。」



ドォッッ!!

ようやく、ルーゼン村にシューたちが辿り着き、結界で魔法を防いだ。

「やめてくれ!これは何かの間違いなんだ!」

シューたち騎士は、何度もそう叫ぶが、彼らの耳には届かない。

「よくも俺たちのリヴェンの女神を!」

「許せねぇ……絶対に!!」

「ルーゼンは敵だ!焼き殺せ!」

うぉぉぉぉおおお!!!!

彼らの怒りは収まらない。

シューたち、ルーゼン・ウルク王国の騎士たちの登場で、より一層攻撃を増した。

「仕方ないですね……。」

シューは額に右手の人差し指を当て、目を瞑る。

左手に剣を構え、祈った。