「隣の国も、魔術が盛んだものね。ありがと、読むわ。」

「はいよっ。」

レイドは手紙を渡した。

しばらく、リィナは黙って手紙を読んだ。

「…………。」

リィナの表情がより一層恐くなった。

「レイド、対談の準備をして。」

「え?お、おう。シューたちを呼べばいいんだな?」

「えぇ。面倒だわ。」

「な、何がだよ?」

「我が儘勝手な王子が来るわよ。」

彼にその言葉が理解出来なかった。



会議室に集まったヴァィも、呆れた表情を浮かばせていた。

「リヴェンの王子……。」

机の中央に座るリィナの隣に、レイドも座った。

「な、なぁ。何があったんだ?」

「隣の国、リヴェン・プール王国から王子が来るのよ。」

そう言ってリィナはさっきの手紙を、レイドに返した。

彼は手紙を読む。

内容は、一度会って話がしたい、というものだった。

手紙の送り主は、フィル・プール王子となっていたが、多分、書いたのは付き人だろう、とリィナは補足した。

「そんなに、この王子が嫌いなのか?」

「えぇ!大っっっ嫌い!!」