王国騎士を守るため、父は闘った。

その時の側近騎士も、その異人に殺された。



「私、許せない。」

リィナは強く、拳に力を入れた。

「その襲撃で、騎士20人、城下町の住民52人が死んだ。」

通称、8年前の襲撃は“ルーゼン城異人襲撃事件”と呼ばれ、世界に広がった。

「異人たちについては、まだ何の手掛かりもないの。」

「…………。」

レイドは何も言えなかった。



“魔術の栄える国”

それはルーゼン・ウルク王国の別名。

この国の国民は、少し魔術を習えば、誰でも魔法が使える不思議な国だった。

だから、リィナもシューも、魔法が幼い頃から使えた。

そんな、ルーゼン・ウルク王国に敵対視する国があった。

リヴェン・プール王国―。

別名“魔術師の国”