カシャンッ

クゥリは眼鏡を投げ捨てた。

「だから、私は、剣に飛鳥(ひちょう)の魂を宿した。」

「てめぇ……そんなことまで……!」

「出来るわよ。私は憑依魔法なら全て使えるもの。」

クゥリはまた、倒れる騎士の剣を手に取り、ジェネルにまたがった。

「私の愛する国を、滅ぼすなら、私はあなたを生かしてはおけないわ。」

「や……やめろ……!」

スッ……

クゥリは刃先をジェネルの胸に向けてそれを高く掲げた。

「やめてくれぇぇえええ!!!!」

「地獄で詫びろ。」

ドシュッッッ!!!!



王座の間で、緊張が走る。

ローズの剣が騎士を貫いた。

「ローズ……耐えきれなかったか。」

オルディンは冷静に、ローズの行動を解釈した。

「構えよ!!剣を掲げよ!!」

騎士の1人が吠えた。

しかし、それよりも先に国王が動いていた。

ガッ!

国王はローズの顔面を鷲掴みにし、睨み付けた。

「約束は守ってもらわねば困る。なぜ、刺したのだ!?」

ドガッッ!!

国王は彼が刺している剣を抜き、みぞおちを蹴った。