リィナの真っ直ぐな眼差しは、しっかりと頭に記憶された。

「そうか。頼もしいなぁ。それでこそパパの娘だ。」

小さな頭を大きな手がなでた。

ふと、空を仰げば星が一面に広がっていた。

「あ、ママだよ!」

リィナは西の方角を指差した。

1つだけ力強く青く光る星がそこにはあった。

「ママ、また明日ね!」

リィナは星に手を振った。



翌朝、港町に国王一行は着いた。

リィナは眠たそうに目をかきながら、ゆっくり船から降りた。

「おかえりなさい。馬を用意しております。」

スーハが敬礼した。

「すまんな。では、早く城に戻って休もうか。」

「はっ!」

国王は馬にまたがり、リィナを前に座らせた。

「しっかり手綱を持っていろ。」

「うんっ!」

ビシィッ!

「はっ!!」

馬は勢いそのままに走り出した。

それを港町の宿の屋根で、見学していた者がいた。

「やっぱり留守にしてたか。」

「そりゃ城にいないわけだ。」

黒い翼を広げ、何度も羽ばたかす。

成長したネイビスとサランダだった。

「国王がいなけりゃ始まらないからな。」