「俺達が襲撃を仕掛ける国は……」

「ルーゼン・ウルク王国だ!」

レイドはその国の名前を聞いて思い出した。

そうだ。オレたちが復讐を誓った相手だ。

「今からどんな奴が標的か、化けるから覚えてね。」

ローズは変化の魔法を得意としていた。

「まずは奴らの主、国王だ。」

ビュンッ

ローズは瞬く間に姿を変えた。

髭を生やした金髪の男に化けた。

「まずはコイツを殺すんだ。」

「んで、次に娘のお姫様が……」

ビュンッ

…………!

「リィナ姫だ。」

髪を2つに束ねた金髪の少女。

紛れもなく、レイドが一緒に遊んだリィナだった。

「姫も殺せ。」

「おぅっ!」

「レイド、ロイド。」

オルディンは2人の名を口にした。

「な、なに?」

「2人は先に地下へ潜入し、魔法陣にありったけの魔力を注げ。」

「そうしたら何が起こるんだ?」

「合図するまでは絶対にやめるな。わかったな?」

オルディンはロイドの質問に答えなかった。

「明日のちょうど正午に攻める。夜のうちに身支度をしておけよ。」

「これから作戦をたてる。まず……」

作戦会議がしばらくの間行われた。



港町はほんのり灯りを灯す。