沈黙が流れた。

「国王……」

「なんてな、冗談だよ。」

国王は声を出して大笑いした。

「さぁ明日で会議は終わる。もう寝るとするか。」

国王は大きなあくびをして、階段を降りていった。



翌日、太陽が眩しい快晴な朝を迎えた。

リィナは髪をボサボサにして、階段を降りてきた。

「リィナ様、身支度いたしましょう。」

まだ14歳のフゥリはこの時からリィナに遣えていた。

リィナはドレッサーの前に座らされ、まだ寝ぼけていた。

フゥリはゆっくりと丁寧に、リィナの髪をといた。

「今日もいつもの髪型でよろしいですか?」

「う……ん……ふぁああ〜」

「もう、しっかりして下さいよ。」

フゥリはリィナの髪を2つに束ねた。

「フゥリは」

「はい?」

「フゥリは“異人”を信じる?」

リィナは不意に尋ねた。

「……私は信じるというより、目にしたことがありますので。」

「ほんと!?やっぱり飛ぶの!?羽は黒いの!?」

「私の死んだ父様には、妹様がおられました。しかし、彼女は“異人”と一緒になりましたわ。」