レイドは言われるまま、右手の薬指を立てた。

きゅっ

リィナは小指を結んだ。

「指切りげんまん嘘ついたら針千本のーます♪」

「ほ、本当に飲むの?」

リィナは噴いた。

「あははっ!飲まさないけど約束したから来てね。」

「じゃあ、オレからの約束。」

レイドは再び小指を出した。

「オレと逢ったことは誰にもしゃべらないで。」

「うん。私のこともしゃべらないでね。」

レイドは口元を緩めて笑った。

そして、何も言わず飛び立った。



「レイド!!どうしてロイドと一緒に帰って来なかったんだ!?」

レイドは里に戻ると直ぐ様バリックの罵声が響いた。

「だってレイドには無理だとか言うから悔しくて……。」

「ったく!お前は強いから何も心配はないけどな、もし“聖人”に見つかって襲われたらどうするんだ!?」

バリックには“聖人”は絶対的な宿敵という思考が定着していた。

「ごめんなさい……。」

「まま、それぐらいにしといてやってよ。」

ローズがレイドの肩を叩いた。

「反省しているみたいだし、レイドは強いから心配なんていらないんだから。」