リーダーの男はピストルを懐から出した。
「感情だけで動くと痛い目に遭うよ。」
カチッ……
パァン!!
†
「とにかく北へ……!北へ逃げましょう!」
アイラは双子をしっかり抱きながら、足早に里を出た。
女、子供が涙を浮かばせている。
「北に何があるんだい!?」
「ラック様が以前におっしゃってました。北にもう1つ隠れ里を用意してあると。」
「アタイも聞いたことがある!」
「ったく!エリックは肝心なことはいつも言わないで!帰って来たらお仕置きよ!」
ちょっとだけ笑みが浮かんだ。
「?」
アイラは前方に人影を見た。
20人程いる。
「なんだい?あの男たちは。」
「関わっちゃだめよ。今は逃げなくちゃ!」
アイラは方向転化しようとした。
だが……アイラの目にはしっかり映ってしまった。
「…………!!!!」
中心に立つ男の手に愛する人の首があった。
「ラックさまぁぁぁあああ!!!!」
アイラは膝から崩れ落ちた。
涙が視界を曇らせる。
「こいつの女か……。ほら見ろ、嬉しくて泣き崩れとるわ。」