リーダーの男はピストルを懐から出した。

「感情だけで動くと痛い目に遭うよ。」

カチッ……

パァン!!



「とにかく北へ……!北へ逃げましょう!」

アイラは双子をしっかり抱きながら、足早に里を出た。

女、子供が涙を浮かばせている。

「北に何があるんだい!?」

「ラック様が以前におっしゃってました。北にもう1つ隠れ里を用意してあると。」

「アタイも聞いたことがある!」

「ったく!エリックは肝心なことはいつも言わないで!帰って来たらお仕置きよ!」

ちょっとだけ笑みが浮かんだ。

「?」

アイラは前方に人影を見た。

20人程いる。

「なんだい?あの男たちは。」

「関わっちゃだめよ。今は逃げなくちゃ!」

アイラは方向転化しようとした。

だが……アイラの目にはしっかり映ってしまった。

「…………!!!!」

中心に立つ男の手に愛する人の首があった。

「ラックさまぁぁぁあああ!!!!」

アイラは膝から崩れ落ちた。

涙が視界を曇らせる。

「こいつの女か……。ほら見ろ、嬉しくて泣き崩れとるわ。」