「な、なんだよルーツァ。」

「バリックのお散歩、行ってきて。」

バリックはまだ0歳で、母親のルーツァに抱かれていた。

「あいよ、行ってくるわ。」

エリックはバリックを抱いて空へ飛んだ。

「いってらっしゃい…………あら?」

ルーツァはアイラに気づいた。

「あなた、ラックさんの恋人よね?」

「あ、は、はい!」

アイラはここに来て、初めて同じ種の人間と出会った。

「私、ルーツァ。よろしくね。」

「こ、こちらこそ!」

2人は手をとりあった。

ラックとアイラの出逢いは1年前。

ラックが食材探しに空を駆けているとき、地上で人拐いを見た。

アイラが今にも拐われそうになっていた。

ラックはいてもたってもいられず、地上に降り、アイラを救出した。

それから2人の密会が始まった。

「いや〜あの時は運命を感じたね。助けてまともに顔を見たとき、オレはこの人と結婚するんだって思った。」

「ラ、ラック様ったら!恥ずかしいです……!」

宴の最中で2人の思い出話は盛り上がった。

アイラの父親もヴァペスリア民に敵対心を持っていて、命の恩人だと言ってもラックを受け入れてはくれなかった。