「オレはまだ0歳だったから何も覚えていないが、本当に酷い襲撃だったらしい。」

レイドはジュースを一口飲んだ。

「オレとロイドを生んだ両親の話は後からみんなに聞かされた……」



レイドとロイドの父、ラックはヴァペスリア民の里の中でリーダー的な存在であった。

魔力と魔術は誰よりも強く、その上人をまとめるのが得意な男であった。

「紹介するぜ。この人がオレの将来の嫁さんだ。」

ラックは1人の女性を連れて帰って来た。

「おめぇが話してた金持ちのお嬢さんか?」

オルディンの父親、ディンが尋ねた。

当時、オルディンは5歳だった。

「あぁそうさ。名前は……」

「わ、私はアイラと言います!ラック様にはいつも……」

「ハッハッハッ!可愛らしいお嬢さんじゃないか!」

バリックの父親のエリックは大笑いした。

「あの……ラック様……私はどうすれば……?」

「エリック!お前が冷やかすからアイラが困ってるじゃないか!」

「冷やかしてなんかいねぇよ!」

「エリック!」

ある部屋から赤ん坊を抱いた女性が現れた。