港町で警備を続けるシューは、何か嫌な気を感じた。

「…………。」

彼は街頭から城がある方角を見つめた。

……なんだこの感じ。

胸騒ぎがする……。

「どうした?」

彼の様子にフィルは気づいた。

城下町で、バリックたちと戦い、傷を負った彼は後からレイドのことを聞いた。

「いや……なんだか胸騒ぎがするだけだ。」

「奴等の狙いは何か知っているか?」

「狙い……?あの魔法陣だろう?」

「あぁ、そうさ。あれは元々、奴等のものかも知れねぇ。」

フィルはシューに、書物書庫で知った歴史を初めて話した。

「…………考えられるな。」

「俺は祭壇の間に近づくことを許されなかったが、魔法陣はきっと強力な魔力を秘めているんだろう。」

フィルの予想は的中している。

「その魔力を解放したら……。」

「…………!!」

シューは突然走り出した。

「お、おい!」

「私は城へ行く!」

「だったら俺も行くぜ!」

フィルはシューの後を追い、2人は馬を引き連れ町を出た。



「心の準備はできているか?」

レイドたちは祭壇の間の魔法陣を囲むようにして立っていた。