オルディンは祭壇の間にいた。

青白く光る魔法陣を見つめ、呆然としていた。

「…………これが先代が奪われた魔力か……。」

魔法陣から溢れる魔力を、肌で感じる。

「たしかに素晴らしい……。」

オルディンは笑みを浮かべた。

「オルディン、明日には実行できるか?」

階段を降りてきたレイドが尋ねた。

「あぁ。いつだってできる状態さ。」

「そうか。楽しみだな。」

「…………お前は」

オルディンは鋭い目付きでレイドを見た。

「自分の存在に違和感は感じないのか?」

チクッ……

レイドはが針に刺されたような痛みを、胸にした。

「……言ってる意味がわからない。」

「なら、いい。聞かなかったことにしてくれ。」

オルディンはレイドの肩を叩いてすれ違った。

魔法陣は変わらず青白く光る。