「あははっ!ロイドったら。」

すっ

ティアラはロイドの右手を優しく両手で掴んだ。

「嬉しい。アタシもそう思ってたわ。」

左の頬にロイドの右手を添えた。

「〜〜〜〜!」

ロイドは恥ずかしさのあまり、何も言えず、ただティアラの頬を触っていた。

「ティアラ……。」

「あ……。」

ぎゅっ…

ロイドはティアラを抱き締めた。

「必ず、世界中どこにでも連れてってやる。それまでの辛抱だ。」

「うん……。お父様たちと和解ができる時まで待つ。」

ティアラも優しく抱き締めた。

パンッ!!

「!!」

「なっ……!」

ロイドの背中に痛みが走る。

そのまま彼女にもたれた。

「ロイド!ロイド!」

ティアラは体をさする。

背中に手を回すと……。

べちゃっ…

「あぁ!」

右手が血に染まった。

ロイドは背中から血を流した。

「ロイド!」

「大丈夫だ……。」

ロイドは瞳を赤くし、回復魔法をかけた。

みるみる傷は塞がる。

カチンッ……

1つの銃弾が背中から出てきた。

「ほぉ……回復魔法が使えたのか。」