父親は庭を通り、ロイドたちに歩み寄る。

「すまない、娘は何も知らずに貴様のようなクズにこのようなことを頼んだ。」

「お父様!彼にしつ……」

「オレは何もしていない。ただ、娘さんを送っただけのこと。もう帰りますよ。」

ロイドは振り返り、ティアラの背中を父親に向けた。

「え……?ちょっと……ロイド!?」

父親はティアラを抱えた。

「早く出ていけ。今日は許してやるが、2度と娘に近づくな。いいな?」

「…………。」

ロイドは何も言わず飛び去っていった。

「ロイド……。」



「ティアラ、今日のあれは何だ?」

ティアラは夕食をとっていた。

向かい合わせに座る父親に尋ねられた。

「お父様から聞いたわよ。ティアラ、アナタは自分が何をしたかわかっているの?」

父親の右隣に座る母親も、眉間にシワを寄せ、険しい顔でティアラを見つめた。

「魔力がなくなって花畑から帰れなくなったアタシを彼が翼で送ってくれた、ただそれだけです。」

「ただ事では済まないぞ!!」

バンッ!!

父親は机を叩いた。