暗い湖の底へ、彼女は沈んでいった。

ロイドは水を掻き分け沈む彼女に向かって泳いだ。

案の定、両足が動かないため、手だけでは泳げない。

ロイドは彼女の腕を力強く掴んで引っ張り抱き抱え、水面に向かって泳ぐ。

「ぷはっ!」

ロイドは勢いよく水面から顔を出し、息をした。

彼女の顔を水面から出し、息をさせようとした。

「な……!しっかりしろ!」

ぐったりしたまま動かない。

「おい!大丈夫か!?」

何度も顔を叩くが、反応しない。

岸にあがり、彼女を仰向けに寝かせた。

「しっかりしろ!大丈夫か!?返事しやがれ!!」

体を揺すっても、顔を叩いても反応がない。

「ちくしょう…!!」

ロイドは顔を彼女の顔に近づけた。

「死ぬなよ…!」

ロイドはゆっくり唇を重ね、息を吹き込んだ。

ピクッ

彼女の細い指が微かに動いた。

死なせねぇ!

ロイドはもう一度息を吹き込む。

「うっ!かはっ!」

彼女が飲んでしまった水を吐き出した。

「ケホッケホッ……!」

ロイドは体を起こしてあげ、背中をさすった。

「あ……ありがとう…えっと……」