黒騎士-ブラックナイト-


ロイドはずっこけた。

「お前、魔力無さすぎるだろ!」

「あーん!どうしよう……帰れない!」

彼女はうっすら涙を浮かべた。

「……ったく!いいよ、帰りはオレが送ってやる。」

「本当!?空を飛んで!?」

彼女は嬉しそうにロイドの顔を見る。

「それしかねぇだろ。」

「わーい!」

「…………まさか、それを考えて……」

「んふ♪」



ビュンッ!!

ロイドは優雅に空を飛んだ。

風が気持ちいい。

「わぁ!すごーい!!本当に空を飛んでる!」

背中には彼女が乗っている。

おんぶしている状態だ。

「オレたちの移動手段だからな。飛べなきゃ生きていけねぇよ。」

ロイドは白い歯を見せた。

「ちゃんと食べ物のある場所教えろよ。」

「あ!そこよ!あの湖!」

ロイドは街へ送る条件として、果物が実る場所を案内させた。

彼女の住む街を東に越えて少しすると、大きな湖があった。

「降りるぜ。」

「うん!」

ロイドは徐々に高度を下げ、ゆっくり地に足をついた。

綺麗な湖に、果実がたくさん実る林。

絶好の食料補充ポイントだ。

「綺麗な場所でしょ?」