ルーゼン・ウルク王国の港町、ポートルピアに、怪我をした城下町の国民と騎士が運ばれ、手当てをした。

死体は城で供養し、城から離れた墓地に埋葬された。

「……これで満足か?」

「えぇ。絶対に国民や騎士には手を出さないでよ!」

「目的は魔法陣だけ。もう“聖人”たちには用はないさ。」

ただ1人城に残ったリィナは、王の椅子に座るロイドと面と向かって話をしていた。

「王女様を抜いてな。」

「そうね。」

椅子の周りには、レイドたち“異人”が集まっていた。

ローズとは以前に、関わりがあった。

だからリィナは彼を知っていたが、バリックとオルディンには初めて会った。

「……あなたね。騎士試験の時に現れた“異人”って。」

「あぁそうさ。初めまして、だな。ん?違うか?」

そんなことどうでもいい。

長く綺麗な髪をしたオルディンを見つめた。

「オルディン……だったわね?」

「いかにも。」

「フィルから大体話は聞いたわ。」

「そうか。」

リィナはレイドに視線を変えた。

レイドはそれに気付き、リィナを睨み付けた。

「……レイドに何をしたの?」