90年前、当時の王は城を建て直した。

元の場所ではなく、今現在の城が立つ場所に。

そこは、元々遺跡であった。

遺跡の床に、1つの魔法陣が描かれていた。

それが祭壇の間に描かれている魔法陣である。



「……魔法陣は無限の魔力を秘めていたことから、ルーゼンの魔術師は魔法陣の魔力をまとい、強力な魔力を手に入れた。」

「まさか……。」

「これは10年前に書かれたの。だから、祭壇の間に描かれた魔法陣は100年間発動したまま……。」

“異人”と呼ばれ、見放されたヴァペスリア民の血が絶え始めた時代と同じであった。

それに、一度は“異人”に襲撃されている。

「8年前の襲撃と、100年前の歴史……。何か、あるんだわ。絶対に何かある……!!」

「俺、“異人”についての本をもっと探してみる!」

フィルはそう言って、本棚を見つめた。

「お願い……!!」

リィナも別の本棚を探した。

そして、レイドと出会ってから今日までを思い出していた。

“異人”たちとの繋がり……。

先代の王たちが、後世に残した魔法陣……。