ネルティとの対談から1週間が経った。

その間に、アルベルトのイルムから文が来た。

パロより西の島国、テルコが、“異人”に襲撃され破滅した。

リィナは不安でいっぱいだった。

まさかレイドが……!?

レイドが“異人”としてやっていることなの……!?

誰か答えてほしい。

けれど、真実を知る者は誰1人いないのだ。

「シュー、私、書物倉庫にいるから何かあったら呼んでね。」

「かしこまりました。フィル、リィナ様に付き添って護衛をしろ。」

「は?なんで?」

「いつ“異人”に襲われるかわからないからな。」

「それもそうか。」

「ありがとう、フィル。」

2人は1階の奥にある書物倉庫に行った。



「あったぜ。」

フィルは、はしごに上り、上からリィナに話しかけた。

「よかったぁ!ありがとう。」

フィルは分厚い本を片手に、ゆっくりはしごから下りた。

「でも何で今更…。」

「何か手がかりになるかもしれない。読む価値はあるはずよ。」

リィナは本を受けとり、机に向かった。

フィルは手についたほこりを払って、リィナの隣に座った。