「アルベルトはこことも貿易をしていたから、すぐにそのことは耳に入ったわ。頭領のダルカン氏も亡くなられた。」

「パロの人々は皆殺されてしまったの……?」

「いえ、何人かの者は生き延び、アルベルトに今は身を預けています。」

イルムが冷静に答えた。

彼は黙って世界地図を丸めた。

「パロの生き延びた人に話を聞いたの。“異人”の中に、双子がいたみたい。」

「双子……!?」

「な……なんてことだ!!」

リィナよりも先に、シューとヴァィが声を上げた。

「まさか……レイドだと言うの!?」

「その情報が正しければ、必然的に……。」

イルムは呟いた。

「とにかく、私はリィナちゃんに忠告しておきたかったの。」

「…………。」

「転送魔法を使える者はいるかしら?」

「文を送受信できる魔術師ですか?」

「えぇ。」

「それなら、中等騎士に。」

その魔術は、ダイが使えた。

「なら、情報交換も出来るわね。また、何かわかったら文を送るわ。」

「……お願い…します…。」

こうして、1時間半に及ぶ対談は終わった。