リィナは喉が乾いたと言って、フゥリと飲食物を保存している厨房へ向かった。

「ネルティ様は何とおっしゃられたのですか?」

フゥリはリィナに尋ねた。

「貿易に関しての話と、耳に入れておきたい事があるんだって。」

ルーゼンが貿易を交わしている島国、アルベルト共和国とは古くからの付き合いである。

ルーゼンの城は内陸部に位置するが、国土は海に面しており、そこに港町がある。

そこで貿易が行われているのだ。

海を渡りルーゼンへ来るものはそこに船を停める。

「耳に入れておきたい事、ですか?」

「そう。詳しくは書いてなかったけれど、ネルティ様は父の代から仲良くしてくださる方。何の疑いもないわ。」

「左様でございますね。」

リィナはにこっと笑った。



2日後…

アルベルト共和国の頭領、ネルティがルーゼンにやって来る日。

港にはシューを代表に王国騎士を送り、リィナは会議室で待っていた。

「リィナ様。」

シューが部屋に入ってきた。

「ネルティ様一行がご到着されました。」

「中にお連れして。」