こんな王女の姿を見て、フゥリの気持ちは沈んでいた。

彼女だけでなく、城に遣える者たち全員がそうであった。

部屋を出て、フゥリは重い扉を眺めた。

「どうかお気を確かに……。」

それだけ言って彼女は階段へ歩みだした。



食事が終わり、ヴァィは自分の部屋に戻って書類を広げた。

住民の出生届けや婚姻届け、他国からの貿易の資料など。

全て王女の仕事である。

しかし、王女があの様な状況であるため、溜まってしまっている。

「はぁ……これからどうすればよいのだ……。」

ヴァィは机に広げた書類を眺めるだけで、手をつけなかった。

頭を抱えて悩んだ。

王女の様態回復に時期側近騎士の決定。

これからの王国のあるべき姿。

頭が破裂しそうであった。

「父上。」

ドアの向こうから声がした。

「シューか……入れ。」

「はい。」

カチャ…

シューはゆっくり部屋に入ってきた。

「リィナ様はまた食事をとられませんでしたね。」

「あとで軽い食事を運ばせよう。」

「それは私が。」

「そうか。」