レイドは少し安心した反面、怒りがあった。

「お前は魔法の情は読めるから、魔法で嘘はつけない。ただ、魔法以外の嘘はお前につける。」

「全て計算のうちだったってことか……。」

「あぁそうさ。お前は簡単に信じるからな。それが裏目に出たな。」

ロイドはバカにするように笑った。

レイドは、自分を見ているようで気持ちの悪い気分になった。

「……。」

「今すぐには消さねぇから安心しな。ちゃんと、飯食っとけよ。」

バタンッ…

ロイドは部屋を出ていった。

レイドはまたベッドに横になった。

「リィナ……。」

レイドは涙を流した。



リィナは、ロビーに置かれたままの水晶玉の破片を眺めていた。

何度も指で文字をたどって何度も読んだ。

「レイド……もう帰っては来てくれないの……?」

その問いかけに答えはなく、ただ、時間が過ぎるだけ。

その様子を見て、フゥリは胸が苦しくなっていた。

「あのままでは王女様は……。」

しかし、彼女にリィナを救える自信がなかった。

だから、何も話しかけれずにただ見るしかなかった。

そこに書かれているメッセージは次である。