『あなたはだぁれ?』

『お……お前…“聖人”っていう人間か!?』

『え?なぁにそれ?』

リィナの頭の中でそんな会話が思い出された。

「私が9歳の時に初めてアナタに出会ったのよね。」

リィナは枕に顔を埋めながら呟いた。

「お願い……1人にしないで……。」



同じ頃、シューは外で剣を振っていた。

朝から汗をいっぱい流し、ひたすら剣を振った。

「私が……私が強ければ…!!」

城の門の前の広場で、シューは無我夢中に剣を振る。

「そうすれば……レイド様は!!」

『姫……彼はまさか……。』

『シュー。』

『はい?』

『レイドは私の大切な友達なの。』

シューの頭の中でも、ある日の会話が思い出された。

『頼む!オレに魔法を教えてくれ!!』

カシャッン……

シューは剣を落とし、空を見上げた。

「レイド様……貴方でなければ王女様は……。」

涙がふいに流れた。

「ちくしょぉぉぉおお!!!!!」

彼の声は、空高くまで響いた。



レイドが目を覚ましたとき、もう朝を迎えていた。

「!!」

レイドは飛び起きた。

「こ……ここは!?」