リィナの体内に侵入したのは毒ではなく、眠り薬のようなものであった。

そして、レイドはそのことを知らず、夜にきえていった。

シューとフィルは、リヴェンの女神像へ向かい、そこで水晶玉の破片に刻まれた文字を見つけた。

「レイドさまあぁぁぁああ!!!」

シューが泣き叫ぶほどの内容だった。



シューとフィルは、文字が刻まれた破片を持って城に帰った。

それは、両手に担ぐほどの大きさだった。

「只今戻りました。」

「シュー!レイドは見つかった!?」

リィナは城の入り口、ロビーで待っていた。

「…………レイド様は…」

「王女、これを見てくれないか?」

ドシッ…

フィルは水晶の破片を置いた。

「これは……リヴェンの女神像の水晶……?」

「あぁ……。ここに文字が刻まれてる。読んでくれ。」

「えぇ。」

リィナは恐る恐る近付いてそれを見た。

「……レイドの字だわ。」

彼女はそれを指でなぞり、一文字も見落とさず読んだ。

リィナは読みながら涙を流し始めた。

「……そんな…。」

リィナは足の力が抜け、その場に座りこんだ。